茅野市で、科学未来館「かこさとし」巡回特別展本日より開催

ぼくが監修させていただいた科学未来館の特別展「きみのみらい・みらいのきみ-かこさとしと探しにいこう、絵本の中へ」(2010春)がの巡回展が、本日2012/7/14より長野県茅野市八ヶ岳総合博物館で始まります。

特別展「きみのみらい・みらいのきみ-かこさとしと探しにいこう、絵本の中へ」

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絵本を通して科学を伝えてきたかこさとしさんをアドバイザーに迎え、世代をこえて私たちの未来について語り合う企画展です。
かこさんの時代をへても変わらない科学のまなざしを軸に、先端科学が見すえる未来のビジョンをグラフィック展示で紹介。
21世紀に生きる私たちのあり方を考えます。
21世紀を生きていく君、君がこれからを生きるために、すこし立ち止まって話をしようと先輩が待っている。
さあ、先輩-かこさとしさんと一緒に、君と世界の未来のあり方について考えてみよう。

かこさとし加古里子) 絵本作家 児童文化研究者 工学博士、技術士(化学)
1926年、福井県生まれ
東京大学工学部応用化学科卒業 1959年より児童文化の調査、出版活動を行い、現在までの作品数は約550点に及ぶ。

開催期間 7月14日(土曜日)~9月2日(日曜日) 時間 午前9時〜午後4時30分
休館日 7月17日(火曜日)・7月23日(月曜日)・ 8月20日(月曜日)・8月27日(月曜日)
入場料 大人310円・高校生210円・小中学生150円
(20人以上で団体料金、諏訪地方の小・中学生・高校生は無料)
主催 茅野市八ヶ岳総合博物館
企画・制作 日本科学未来館
アドバイザー かこさとし

かこさとしさんは、工学博士として企業研究者をしながら、「だるまちゃんとかみなりちゃん」のような素晴らしい絵本をたくさん書かれている大変素敵な方です。現代社会の問題を解決するためには、お金の問題をどうにか根本から考え直さないといけないと前から考えていたそうです。

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そんなかこさんに、科学未来館の方がPICSYや分人民主主義の話をしたところ、未来のお金を科学技術を使って設計するというところに興味をもっていただき、今回の企画ではじめて知己を得ました。そういうわけで、この特別展の監修をすることになり、だるまちゃんがPICSYの伝播性について説明をするというとっても珍しいパネル絵本展示となりました。他の研究者の内容も面白いので、ぜひおすすめです。

茅野市八ヶ岳総合博物館は、茅野市の中でも諏訪よりですので、中央道からけっこう近いです。近隣の方も、そうでない方も、夏休みに親子ででかけてみてはいかがでしょうか。

今回の巡回展ではやりませんが、2010年の科学未来館では、小学生を対象にしてPICSYと分人民主主義を説明し、実際に投票実験までしてもらうという、とってもチャレンジングな企画を行いました。結果として池上高志の子ども達にレクチャーするというなんとも光栄な機会となりました。

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そういえば、ドミニク・チェンと知り合ったきっかけとなったICCでのワークショップ(2005)のときも小学生に呼びかけましたし、どうやら子どもと縁があるようです。これは決して嫌なことではありません。ぼくは、どんな大舞台や大研究者の前での発表よりも、子どもの前でのお話を一番大事にしています。アラン・ケイが技術は子どもでも使えるものでなくてはならないと考えたのは、子どものリテラシーを低くみたからでも、子どもを差別してはならないと考えたからでもありません。子どもこそが未来の可能性の中心であり、そのすべてだからです

科学未来館の方には、このワークショップを開催するのに、何度も打ち合わせと準備をしていただくことになり、この特別展で一番力を入れてくださったと後で聞きました。その後、何度か監修の依頼がありましたが不義理をして心痛む状況です。実は、「私的所有の生物学的起源」を本格的な動画として制作するというのをやりたいんですけどね。ええ、池上さんが監修してくれると言ってますし。