コミュニケーション力学の変容に伴う経済倫理の下支え

最近のPICSYの進捗その2です。

ICCで先週の土日に行われたPICSY×gumonjiというワークショップは、ぼくとしてはかなり有意義な経験でした。

このワークショップは、gumonjiという環境シミュレータ上で仮想的な国をつくって、そこで貿易ゲームをしてPICSYで取引をするという内容で、1日5時間もやりました。

けれど、アンケートの集計結果をみても、参加者の方の感想はおおむね好評でした。

PICSY blogのコメントに書き込んでくださったり、

http://blog.picsy.org/mt3/mt-comments.cgi?entry_id=326

ブログに感想を書く方や、

http://generative.info/daily/20051211.html

http://blog.goo.ne.jp/t_satoh555/e/fe92298e8572d63cb95b3d8bbf6dd75c

かがやさんのようにPodキャスティングでとりあげてくださったり(面白いので聞いてみてください)

http://blog.kagaya.com/?eid=398119

なんて感じで、ブログ上でも様子を知ることができます。

中でもぼくにとって重要なのは、PICSYによってコミュニケーションのダイナミクスが変わったという話です。

PICSY blogのコメントでdoraさんは

後半の最初にやぎさんに「ローラー」レンタルを持ちかけられたときに、

そのアイデア自体、ものすごくいいアイデアだな~と思ったのですが、

「それってあなたの国を勝たせることになるんですよね」(言葉は忘れちゃったんですが)

と、否定的なニュアンスで言ってしまいましたよね。

あなたにその時、PICSY効果について冷静にコメントしていただいたので、

「そうだ~」

と気づくことができたのですが、

もしそれがなければ、

がりがりと「価値」より「勝ち」に拘って、突っ走っちゃったんじゃないかと思います。

と書いていますし、

Satohさんは

実際には、ゲームに忙しくて、PICSYを実感する余裕がほとんどなかったのですが、

一度、もしこの世界がPICSYの世界になったら、よい人が増えるなぁと思った出来事がありました。

前半で、シャベルの重要性が分かってしまったので、シャベルを2つ持っている白い国は、すぐにシャベルを売ってくれず、自分たちが終わったら売りますと言われてしまいました。

しばらくして、再度交渉にいっても、よい返事がもらえず、仕方がないので、シャベルを売ってくれないなら、資源を売らない強行手段にでることにしました。

ただ、これの弱いところは、資源が豊富な国はもう一つあることです。

しかし、しばらくたつと、白の国がやってきて、シャベルを売ると言い出しました。

その理由として

PICSYの還元を選択する」

というものでした。

つまり、自分たちがシャベルを独占するよりも、

他に国に売って、その国が儲かるほど、自分たちに還元されることを選んだのです。

そのおかげで、緑の国はシャベルが手に入り、ばりばりと山をつくることができました。

(あれ?今思ったけど、必ずしも良い人とは限らないなぁ。

交渉がスムーズに行くということかな?)

と書いています。

僕自身はゲームマスターとして会場をうろうろしていたのですが、そのようなコミュニケーションの変化がおきていることに気づいていませんでした。

人々が部分最適だけに閉じこまらないというこのような例がこのように実際に起きたということは、とても興味深いのです。これは、単にチーム間の問題だけではなく、チーム内での意思決定時の説得のプロセスにPICSYがロジックとして導入されることは、世界をなめらかにしていく原動力になるのではないかと考えています。

これは、コミュニケーション力学の変容に伴う経済倫理の下支えと以前よんでいたものですが、それが実際に起きたのかもしれないのです。

このような貴重な機会を演出してくれたドミニクと中嶋さんに感謝です。