The best way to predict the future is to invent it

Hotwired江坂さんのblogが面白かったのでちょっとコメント。

情報社会は新しい社会なのか、いままでの社会からの連続性から説明すべきなのかという話だが、ぼくの立場は後者だ。グーテンベルグの活版印刷の発明は、欧米において科学革命、市民革命、産業革命、宗教革命のいずれにも貢献したが、活版印刷がもたらしたわけではない。歴史は複雑な織物のようなものであり、メディアの進化はそのうちのひとつの糸でしかない。しかも、メディアの発明からそれらの事件がおきるまでには数百年の時間を要している。いずれにしても、現代はモダンであってポストモダンではない、ということだ。

残念ながら、ぼくの生活空間はネットがある前後で、それほど劇的に変わっているわけではない。ネットの文法はまだ生まれてさえいない。でも数百年以内に生まれるに違いないとも思っている。いまのところ、ネットの文法に一番近いのが、ソーシャルネットワークオープンソースムーブメントかな。Brain-Machine Interfaceとネットワークの接続が自己同一性に与える効果も見逃せないだろう。

技術決定論的な見地にたったとしても、情報社会よりも、今後の人類の宇宙への進出や、遺伝子や脳科学の発展のほうが大きな影響を与えるに違いない。

ああいう学者たちは、どうであるか、どうなるかという分析と予測しかしない。しかし、アラン・ケイの言うとおり、「未来を予測する最良の方法はそれを発明すること」なのだ。PICSYもそのうちのひとつということ。