次回ISED設計研は6/11

ICCのイベントが終わりました。

エキソニモさんとか、ドミニク・チェンさんとかアートまわりの人たちと出会えたのがとてもよかったです。飲み会盛り上がりました。サイモンのlive codingも面白かった。

終わったばかりですが、今度の土曜日6/11に第四回ISED設計研がGLOCOM@六本木で開かれます。講演者は慶應義塾大学講師の井庭さんです。

なぜか今回、ぼくは司会をすることになりました。

なめらかにがんばります。

ゲストコメンテーターとしてインフォテリアUSA社長の江島健太郎ことエジケンに登場してもらいます。

オブザーバー参加されたい方は、ken at sacral.c.u-tokyo.ac.jpまでご連絡ください。

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国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主催

学際的研究プロジェクト

「情報社会の倫理と設計についての学際的研究」

ised@glocom)

第4回「情報社会と設計」研究部会

開催のお知らせ

                 2005年6月2日

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 このたび6月11日土曜日に開催されます、第4回設計研究部会について

ご案内申し上げます。今回、諸般の事情よりご案内のほうの皆様への

ご送付が遅れたことを誠にお詫び申し上げます。

 オブザーバーとしてご参加希望のかたは、末尾のフォーマットにて

お申し込み下さい。みなさまの積極的な参加をお待ちしています。

■ご連絡:

・メンバー:

 今回ゲストとして、江島健太郎氏(インフォテリアUSA社長

http://blog.japan.cnet.com/kenn/ )をお呼びしての開催となります。

 また司会は設計研委員の鈴木健氏 (東京大学大学院総合文化研究科

博士課程 / PICSY / 国際大学GLOCOM客員研究員)にご担当いただきます。

前三回の「設計論」を踏まえ、今回から、より具体的な「社会の設計」

に向けて議論します。フレッシュでなめらかな議論の展開をご期待ください。

■ 第4回「情報社会と設計」研究部会について

 「情報社会と設計」研究部会第4回は、研究会委員の慶應義塾大学

総合政策学部 専任講師の井庭崇氏より基調報告を頂き、それを受けた

かたちで共同討議を行います。

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 講演題目:「自己革新的な社会に向けての教育とメディア

 ~コミュニケーションの連鎖によって「つくる」ということ~」

 講演者 : 井庭 崇

  慶應義塾大学総合政策学部専任講師 /

GLOCOM客員研究員

   http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/

  テーマ:

 これからの情報社会は、万人が「つくる」社会である。しかも、独り

で黙々とつくるのではなく、コミュニケーションの連鎖によって「つく

る」。そのような社会に向けて、私たちは教育とメディアをいかに設計

していけばよいのだろうか?

  概要:

 かつて、パーソナル・コンピュータの父といわれるアラン・ケイは、

「未来を予測する最良の方法は、未来をつくってしまうことである」と

述べた。私たちが本当にこのことを実践できるならば、予測し調整しあ

う他者依存的な社会から、自分たちで自分たちの未来をつくっていく自

己革新的な社会へと移行することができるだろう。このような社会の実

現に向けて、本発表では、まず最初に、情報社会の核心とはなにかを考

察したい。次に、それを踏まえて、これからの教育のあり方について論

じ、最後に新しいメディアの可能性について提案することにしたい。

 

 情報社会の本質とは何かと問われれば、私は、だれもが「つくる」こ

とができる社会である、と答える。ある面では、パーソナル・コンピュ

ータがそれを可能にし、インターネットがそれを見えるかたちにした。

また、生産者と消費者の境界があいまいになったプロシューマー(生産

-消費者)の時代においては、すべての人が、程度の差こそあれ、なん

らかの「イノベーション」にかかわることになる。例えば、個人がさま

ざまなものを組み合わせて(結合して)自分なりのライフスタイルを「

つくる」ことは、その組み合わせが新しければ、一種のイノベーション

(新結合)だといえるだろう。その一部には、ネットワークを通じて普

及したり、企業が商品・サービスに取り入れたりするものも出てくるだ

ろう。「遍在する小さなイノベーション」が、共鳴しながら私たちの生

活・社会を形成していく――このように、万人が「つくる」ことを可能

にした情報社会は、さらに自己革新的な社会へと変わる可能性を秘めて

いるのである。

 

 本発表では、「つくる」ことや「イノベーション」ということを、「

コミュニケーションの連鎖」として捉え直すことを提案する。これまで、

「つくる」ということは、個人あるいは組織(最終的には分業によって

個人に行き着く)の行為として捉えられてきた。これは、いわば主体モ

デルであるといえるが、ここで提案したいのは、「つくる」ということ

のコミュニケーションモデルである。単に個人や分業によってではなく、

その複数人によるコミュニケーションがなければつくれなかった、とい

う意味で、まさにコラボレーションということになる。これには、ペア

・コラボレーションからチーム・コラボレーション、オープン・コラボ

レーションなど、様々な形態が考えられるだろう。

 

 以上の視点を踏まえ、これからの情報社会における「教育のあり方」

を考えていきたい。これから求められる教育は、知識を獲得したり分析

したりすることではなく、「つくる」ことに重点が置かれることになる

だろう。しかも、ここでいう「つくる」というのは、コミュニケーショ

ンの連鎖で「つくる」という意味であるから、コミュニケーションの接

続性をいかに高めるか、そしてコミュニケーションの連鎖を生み出す場

をいかにつくるか、という能力の育成も重視されることになる。これら

のスキル・知は、「個」が立ち現れてくる領域であり、また、身体性を

伴うものである。それゆえ、従来のような「教師(教える)・学生(教

わる)」という非対称性は崩れ、同じ目的に向かって取り組むという構

図になる。そこにはあらかじめ決まった答えはなく、その場その場で共

に考え、試行錯誤を繰り返すことになる。このような取り組みについて、

私たちがこれまで行ってきた事例も紹介する。

 

 最後に、これからの情報社会における「新しいメディア」について提

案したい。この新しいメディアとは、つくりたいもののプロトタイプ(

試作品・原型)を作成・共有してコミュニケーションをはかるためのメ

ディアである。このようなメディアが必要なのは、従来の自然言語は、

動的なシステムや複雑な仕組みを表現するのに適していないためである。

そこで、「つくる」ためのコミュニケーションを担うメディアとして、

「コンピュータ・シミュレーション」を取り上げたいと思う。シミュレ

ーション作成の本質は、ヴァーチャルな動くシステムをつくれるという

点にある。これを用いて、つくりたい情報システムや社会システムのプ

ロトタイプを作成すれば、複数人でシステムのイメージを共有したり、

そのダイナミクスを把握したり評価したりすることができるようになる。

ここでは、シミュレーションのパーツを組み合わせて表現するという方

法が、新しいコミュニケーションのスタイルになるということを提唱し、

具体的イメージを喚起するために、私たちが開発したツールについて紹

介する。

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■講演者プロフィール

井庭崇 IBA Takashi

http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/

慶應義塾大学総合政策学部 専任講師 / 国際大学GLOCOM 客員研究員

 1974年生まれ。2003年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後

期博士課程修了、博士(政策・メディア)取得。専攻はモデリング・シ

ミュレーション技法、複雑系科学、進化経済学。共著書に『複雑系入門

:知のフロンティアへの冒険』(NTT出版、1998年)、『総合政策学の

最先端IV:新世代研究者による挑戦』(慶應義塾大学出版会、2003年)、

進化経済学のフロンティア』(日本評論社、2004年)。大学時代に表

現活動を行うが、その後、技術と社会の問題に取り組む。特に、複雑系

・自律分散システムを研究している。一貫して、人間の感じるリアリテ

ィに関心をもつ。現在は、社会シミュレーションの道具づくりを通じて

(Boxed Economy Project: http://www.boxed-economy.org/)、社会科

学におけるシミュレーション技法の普及と、現実の事例への応用に取り

組んでいる。

■ 設計研の構成

委員:村上敬亮

経済産業省資源エネルギー庁総合政策課 課長補佐)

http://www.nikkei.co.jp/digitalcore/report/030603/01.html

委員:近藤淳也

株式会社はてな 代表取締役

http://www.hatena.ne.jp/

委員:井庭崇

(慶應義塾大学総合政策学部 専任講師

/ 国際大学GLOCOM客員研究員)

http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/

委員:楠正憲

マイクロソフト株式会社 技術企画室 主席研究員

/ 早稲田大学理工学部 非常勤講師

/ 国際大学GLOCOM フェロー)

http://spaces.msn.com/members/mkusunok/

委員:鈴木健

(東京大学大学院総合文化研究科 博士課程 / PICSY

/ 国際大学GLOCOM客員研究員)

http://www.picsy.org/

委員:八田真行

東京大学大学院経済学研究科 博士課程 / Debian Project

/ GNU Project)

http://www.mhatta.org/

設計研ゲスト:

島健太郎

(インフォテリアUSA社長)

http://blog.japan.cnet.com/kenn/

[事務局]

ディレクター:東浩紀国際大学GLOCOM主幹研究員・教授)

http://www.hirokiazuma.com/

モデレーター:鈴木謙介国際大学GLOCOM研究員・助手)

http://www.asvattha.net/soul/

コメンテイター:石橋啓一郎(国際大学GLOCOM主任研究員・講師)

http://ishbash.blogtribe.org/

スタッフ:濱野智史国際大学GLOCOM研究員)

http://ellington.gel.sfc.keio.ac.jp/nsly/mt/ns/

(詳細プロフィールについてはWEBサイトをご覧ください。

http://www.glocom.jp/ised/

 またこれまでのised@glocom研究会の議事録は以下のはてなグループサイト

に掲載しております。ご併読ください。

http://ised.glocom.jp/ised/ )

■ 開催概要

ised@glocom 設計研究部会

第4回 講演題目:『自己革新的な社会に向けての教育とメディア

 ~コミュニケーションの連鎖によって「つくる」ということ~』

講演者 : 井庭 崇

【開催概要】

日時:

2005年6月11日(土) 15:00 - 18:30

(開場は14:30より)

会場:

東京都港区六本木6-15-21 ハークス六本木ビル2F

http://www.glocom.ac.jp/top/map.j.html

*当日は、土曜日のためビル正面玄関が使用できませんので、

  裏口にお回りいただくことになります。ご了承ください。

定員:30名

参加費:資料費として、実費 数百円

申込締切: 6月8日(木)まで

(※下記フォーマットにてお申し込みください。)

【プログラム】

15:00-16:00 井庭崇 講演

16:00-16:15 休憩

16:15-17:15 討議第1部

17:15-17:30 休憩

17:30-18:30 討議第2部(質疑応答)

*研究会終了後、委員とオブザーバーの皆様との

*懇親会を開催いたします。

18:30-19:30 懇親会第1部

(終了後、GLOCOM内にて行います。参加無料です。)

20:00-22:00 懇親会第2部