私がPICSYのどこに注目しているか

最近加えていただきました、mojixこと桜井です。

仮想通貨などは以前からなんとなく興味がある程度だったんですが、GLOCOMでのPICSY研究会に参加して、PICSYの壮大なヴィジョンや、それが含んでいるいろいろな可能性を知って、目を開かされました。

私がPICSYのどこに惹かれているかというと、例えば以下のような点です。

- 基本理念(提供した価値に応じて正当に報われる)

- レントをなくす

- 個人に投資する

(詳しくは「PICSYは何を目指すのか」などを参照)

伝播投資貨幣」というあたらしいコンセプトを元に「お金」を考え直すことで、現在わたしたちが「お金」と思っている決済貨幣が相対化されます。「違うお金のあり方」がいくらでも考えられるわけです。

そしてお金や価値の交換について考えていくと、例えば所有権や「コモンズ」的な問題などもすぐに出てきて、多かれ少なかれ社会システム全体とからんでくる。(このあたりは「オープンソース」などともからんでくる)

また、自然法則と違って「社会」は人為的なルールでできているので、そのときの時代状況や技術に依存している(*)。電子マネーやECなどは明らかに情報技術によって可能になったものです。

*) GLOCOMの研究会で、白田さんが「社会的なルールはその時代の技術レベルに依存する」といった趣旨の発言をされていたと思いますが、これは重要なポイントだと思います。

技術がこれだけ激しく進化している時代には、それにともなってコミュニケーションや社会のあり方も変わらざるを得ない。しかし、技術レイヤーのきわめて速い流れに比べて、その技術を使うレイヤーはまだそのスピードに追いつけていないようなところがある。鈴木さんが言うところの「ネットの文法」が、これからやってくる。

PICSYプロジェクトは、来たるべきものについて言葉で話すだけではなく、それを具体的にプロトタイプとして見せようという姿勢がいいと思います。経済や社会学だけでなく、情報技術やWeb、ゲームなどの人材が最初から入っているところもポイントですね。(ドキュメンタリーを撮影している人もいる!)

私はもっぱら門外漢的な立場ではありますが、素朴な視点から問題提起などできればと思っています。