2回にわたって、会社を「付加価値を生み出すもの」として見てきました。すなわち、生産面=分配面から会社をみてきたことになります。
【支出面】
当然、三面等価のうちのもう一つの面、支出面から会社を見ることができます。
会社は顧客のものという考え方ですね。財・サービスを享受するのは顧客ですから、顧客至上主義から見れば、会社を「財・サービス」を提供するものとして見れば、会社は顧客のものということになります。この場合の比率は、顧客ごとの購入金額の比率で測ることができます。
【外部効果】
ここまでは経済の内部の話(貨幣による取引で把握可能な世界)ですが、経済の外側というのがあるのをご存知ですか?
ビグーは『厚生経済学』の中で「ある経済活動が.本来その活動とは無関係の第三者に,市場取引を経ることなく,直接かつ付随的に影響を与えることを意味し,特にそれが利益をもたらす場合は外部経済であり,損害を与える場合には外部不経済である」としました。あわせて外部効果ともいいます。
たとえば環境問題が代表的な外部不経済の例となります。
会社は誰のものかという議論をするときの、一番の弱点はこの外部経済(不経済)です。外部ですから、とにかく難しいです。この視点に立つと、「会社はみんなのもの」といわれます。
計算可能であれば、外部効果も内部にいれてしまうことができますよね。環境税などはこのアプローチです。でも、計算可能でないものは常に残り続けるので、この意見も残り続けるわけです。