万物のサービス化

以前、一度ちょっとだけ触れた万物のサービス化について考えたい。

あまりにも大胆な予測だが、市場を流通するあらゆる財がサービス化するのではないか、という考えだ。

システムのサービス化:IBMのオンデマンドビジネス

ソフトウェアのサービス化:SUNの新ソフトウェア戦略

音楽のサービス化:Napster2.0

DVDのサービス化:ぽすれん

コンタクトレンズのサービス化:マンスウェア

情報財はコピー管理をしないと供給過多になり複製コストは限りなくゼロに近く、消費時間に制限があることからサービス化に向きやすい。しかし、コンタクトレンズのようなものまで定額制になるというと万物がサービス化するのではないかという気になる。これは人間が持っている所有への自然な欲求と新しい経済システムの長い戦いの始まりである。

ITのコモディティ化は、いままさに万物をサービス化しているのではないだろうか。

これには2つのコンテクストがある。

ひとつは、顧客関係性マネジメント(CRM)の発達である。供給過多で競争が激化した市場において、マーケティングの専門家達が発見したのは、新規顧客を獲得するよりも既存顧客ひとり当たりの売り上げを伸ばすほうが、販売管理費が少なくてすむということだった。ITはCRMコモディティ化させ、非常に安いコストでCRMを実現することができるようになった。その場合、互いの取引コストを最小化させる方法として、また供給者側としては安定した売り上げを獲得する手段してサービス化という道が模索された。

二つ目は、物流におけるトレーサビリティの発達である。どの財がどこにあってどのように使われているかが把握されることによって、財の所有と財の利用を高度に分離させることが可能になるだろう。

このテーマは、これだけで本が一冊書けるくらい奥の深い問題だと思うので、これくらいにしておこう。

最後に、ぼくが考えたちょっとした物流システムが、みんなから「いままでの僕のアイデアで一番いい」と大絶賛されたので、紹介する。簡単にいえば、服をレンタルデリバリーする定額サービスで、購買選択、洗物洗濯、組合せ選択をしないですむのと季節モノの保管や屋内の在庫管理をしなくてもすむようになる。

リコメンデーションしてほしいぼくみたいなものぐさな人は結構いるんと思うのだが、女性からは大反対されそうな企画かもしれない。

服は季節モノだから大量の在庫をかかえないといけないといわれそうだけど、南半球に貨物輸送してローテーションにすればいい。現実可能性は保証しません。

所有欲からの開放と万物のサービス化は、土地からの開放という情報革命のひとつの要件の必要条件かもしれない。ノマドはタンスを持って移動したくないからね。

しかし、何度もいうようだが、これは最後は所有欲との対決なのだ。みんなもっとレンタカー使えばいいのになあ。