今日の昼に、フジアナ人気No1の中野美奈子さんとタモリさんに近所の蕎麦屋で会った。中野さんは、PICSYのアドバイザーをしている慶応大学商学部助教授の遠藤さんのゼミの出身で、ぼくは以前、遠藤ゼミのディベートの審査員をしにいったことがある。たしかテーマは「日銀は公定歩合を上げるべきか否か」だったと思う。もう3年前の話だ。そのときに中野さんとはちょっとだけ話したけど、一生懸命でまじめな子だった。確か報道志望だったと思うけど、彼女の持っている不思議な魅力で、どちらかというとアイドル路線で売れていってしまった。今日話したときも、謙虚な態度でこちらがいたたまれなくなるくらいだった。
遠藤ゼミにディベートしにいったときに一緒に審査員をしたのが、元日銀で劇団アロッタファジャイナを主宰している脚本家の渡辺さんだ。土曜日に、アロッタファジャイナの第三回公演があったので、新宿パンプルムスまで足を運んだ。会場には実写版デビルマンの那須監督もいたようだった。那須監督は渡辺さんの師匠で、渡辺さんはデビルマンの監督助手をしている。公演の後、ゲスト出演していたレースクイーン数名とお話したが、美貌にあぐらをかくのではなく、予想外に真剣に舞台に取り組んでいたことを知って驚いた。どの人も、自分に対する厳しい意見を求めているようだった。渡辺さんに聞くと、レースクイーンというのは寿命が短いので、自分が今後どういう風に生きていくか真剣に方向性を模索するのだという。
テレビや映画を観ても何も感じないのだが、舞台や蕎麦屋などのリアルな空間で観ると、そういう健気さや真剣さに打たれて、何か強いエネルギーをもらえるような気がする。
というわけで、今日は鈴木健に似合わない芸能ネタでした。
最後に、遠藤さんと渡辺さんのPICSYについての一言を紹介しよう。
遠藤さんは、商学部にいるものの専門が国際経済学の経済学者で、PICSYの合宿にきていただいて、専門的な見地からアドバイスをもらっている。その遠藤さんが、PICSYはSECSYを完全に代替するかもしれないと言ったときは驚いた。ぼくでさえ、PICSYとSECSYは並存すると思っていたからだ。
渡辺さんにもPICSYプロジェクトのミーティングに来てもらったことがある。そのときに言われたのが、「偉大な文化は、富のゆらぎという偶然によって生まれるわけであって、公正な社会のほうが幸福だとは限らない」ということだ。芸術家らしい言葉だと思う。そしてそれは真実でさえある。
経済は物語である。次回は、そのことを教えてもらった松岡正剛について、七夕の夜に記そう。
PICSYが偉大な文化を育むことを願って。