昨日はtaiseiとlenaと一緒に初台のICCに行ってきた。2001年の信用ゲーム展のカタログに寄稿した縁で、特別展の初日にsteve木下とsakiと一緒に行って以来だ。目的は、ICCのフロアに埋まっているPowers of tenを二人に紹介することだ。
Powers of tenは、イームズ夫妻によって1968年に作られた短編科学映画で、物理の美と世界観を感じることのできるすばらしい作品だ。ぼくは高校の物理の授業で最初に見た。雰囲気だけ感じることのできるサイトもいくつかあるが、イームズチェアの作者でもあるだけあって、映像の美しさはオリジナルにはかなわない。ぜひ一度見て欲しい。
ぼくも早速、部屋を暗くして100インチのプロジェクターで鑑賞してみようと、CDを注文した(DVDもでているらしい)。
Powers of tenで、時間と空間以外に指数でできそうなものはないかを考えてみた。
まず最初に思いついたのが速度だった。よく考えると、相対論を無視してカメラの速度を指数で動かし、視角を固定したのが、オリジナルのPowers of tenだといえる。
光速度不変の法則より、カメラの速度を指数で動かし、対象を固定したのが時間版のPowers of tenだ。よく天文学で遠くをみることは昔を見ることというが、あの話だ。
つまり、空間と時間のPowers of tenは、対象固定か視角固定かによって切り替えることができる。さらに、何を中心にスコープするかという点も切り替えられるとすると、Powers of ten for Hypermapの出来上がりだ。
これはとっても簡単なインターフェイスだ。
1.フィルタリング切り替え(人なのか文化なのかなど)
2.ターゲット切り替え(どの場所を中心にするか)
3.カメラ切り替え(対象固定か視角固定か)
だけで、HypermapがPowers of tenになる。(ただし、前述の通り相対論を無視)
さて、それとは別に、アブストラクトなレベルでのPowers of tenを考えてみた。例えば人口のPowers of tenを、それを統治する人の顔でやってみる。中国のリーダーは10億人を統治しているわけだが、10人単位でみていくと、9階層のヒエラルキーの上にいる。それを連続的に平均顔でみるとどんな風になるか。
お金のPowers of tenはどうだろうか、ビル・ゲイツのような金持ちから、1円しか資産がない人まで、はてまて大借金を背負った人までを連続的に見せる。
Powers of tenは科学だけでなく、歴史や社会にも使えそうだ。
と思ったら、ringoがPowers of ten円というのを書いているのを発見。どうやら今年1月のsoftdrinkの飲み会中に出たアイデアらしいが、覚えてない。なんかこれは少し違うな。どちらかというとぶっとんだ村上龍みたいな感じだ。
チューリングとXMLの関係について書こうとしているが、チューリングの元論文とか池上さんの論文だとかを読み直し始めてしまって、たぶん書くのに20時間くらいかかりそうだ。専門に近いとどうしても慎重になってしまう。たいした内容は書かないのに。読者のみなさん、すみません。