MosaicそしてNetscapeをつくりだしたMarc Andreessenがまた面白いプロジェクトを支援している。
Ningはsocial appsを簡単につくるためのPlaygroundだ。
match.comやflikr、del.icio.us、amihotornotのようなWebアプリを開発し、実行することができる場だ。
日本でいえば、「はてな」のようなサイトをみんなでつくることができる。「はてな」は人文系オープンソースということで、開発自体ははてな社員しかできない。貢献ユーザははてなに意見をいうだけだ。Ningが面白いのは、外部の開発者がどんどんアプリをつくれるところだ。
先日、Web3.0についての記事を書いたら、早速これだ。
すなわち、Web3.0とはASP SP(Application Service Provider Service Provider)である。開発者は、サーバー上のあらゆるデータを使ってソフトウェアを開発することができる。例えば、googleがgmailの機能追加をすることができる開発・実行環境を、gmail上で公開するといったことをイメージしてほしい。メールの送受信関係の連鎖から、自動的にメールの送り先を推薦するソフトウェアをgoogle外部の開発者が開発してもよいだろう。そのようなことは、いままで不可能だった。中略
ただしASP SPには性能とセキュリティという大きな問題がある。
中略
以上のような問題をはらみつつ、ASP SPは開発者にとって夢のような環境である。
1.すでに存在するソフトウェアをそのまま再利用できる。インストール作業も必要ない。
2.個人データを含む膨大なデータを再利用できる。
3.サーバーやネットワークなどのハードウェアの管理が必要ない。
ソフトウェア開発者は文字通り徒手空拳で、ほんのちょっとの手間で新しいソフトウェアを開発・実行することができる。しかも、Web2.0とは違い、既存のユーザベースをそのまま誘導することができるのだ。
実際に、Ningでは複数のアプリが同じデータを利用できるのだろうか。
早速、Ningにユーザ登録してみたが、ベータ開発者登録の枠は現在埋まっているらしい。早いもの勝ちのようなので、しばらく待てば定員が増えて連絡がくるのだろう。一方、普通のユーザとしては、かなりの数のアプリがすでに使えるようになっている。
ベータ開発者になったら、早速いじって報告しようと思う。
メタメッセージとしてのWikipedia、メタメディアとしてのNing
Wikipediaは、複数の人がよってたかって百科事典をつくろうというものだが、言葉を使った言葉の説明、つまりメタメッセージに終始する。これはグーテンベルクの時代のやり方だ。それに対し、Ningは、ソフトウェアというメディアをみんながよってたかって作ることができる。この違いは大きい。
Ningは次のgoogleか?
Ningのabout usには、彼らのやりたいことについて控えめに書かれている。
We don't want to start a movement, just see what happens when you take the hard work out of doing something. Sort of like the ads in the back of Rolling Stone for writing term papers.
しかしぼくにはこれが、マイクロソフトのOS支配を揺るがす革命のはじまりのように思えてならない。しかしこれはNetscapeが、javaが失敗した道のりであり、困難を極めるだろう。
多くのブロガーはNingをWeb2.0が簡単にいじれる場だと思っているようだが、これはWeb3.0のはじまりなのだ。
似たような動きは、他にもある。史上唯一成功したASPと呼ばれるsalesforce.comもASP SPをはじめている。AppExchangeでは、saleforceのユーザ企業開発したアプリケーションを、salesforce上で、他のユーザにオンデマンドサービスとして提供することができる。
これについてはThe Long Tailでも触れられている。