先週のCBSドキュメントは、ケーブルテレビ番組「コメディーセントラル」の政治風刺で人気のアメリカのコメディアンのスティーヴン・コルベールだった。
ここに非常に印象的なシーンが登場する。彼は民主党の全国大会にくりだして、ゲイや環境運動家、黒人などのマイノリティーを集め、ディスカッションをさせる。「団結が大事だと思いますか?」という質問に対して、「大事だと思う」と口をそろえて言う民主党員たちに対して、「じゃあ、そこの彼、ゲイの彼に対してキスしてみて」。指示された彼はしりごみして大爆笑というくだり。
なるほど、リベラルというのはたこつぼのロングテールだということか。ロングテールのちりを集めているのが民主党で、ヘッドで勝負をしているのが共和党、そう考えると分かりやすい。ヘッドに対しては価値遡及的で単純なメッセージになり、テールに対しては価値中立的で複雑なメッセージになる。
たこつぼ有利のネット情勢は、世界を複雑化可能な方向にもっていくように見えるが、ロングテールは局地線的な問題系にすぎないため、事の本質はそう簡単ではない。