価値形態の変化について

商品価値の3つの形態には

・労働価値:商品の価値は労働の汗(時間・労力)が結晶したもの

・交換価値:商品の価値は交換されたときの価値

・使用価値:商品の価値はその利用価値

の3つの考え方がある。これは、商品の生成と消滅のライフサイクルのどのタイミングをみたものかを指し示している。すなわち、商品は

・労働によって生産され

・貨幣と交換され

・使用され

るわけで、その順序をみていることになる。

リカードをはじめとする古典派の経済学者は、商品の価値は労働価値の結晶だと考えた。したがって、交換価値は労働価値の結晶であらねばならないと考えたのである。

ワルラスをはじめとする限界革命の旗手達は、交換価値(すなわち価格)が完全市場においてどのように決定されるかを、効用と希少性に求めた。

しかしながら、より正確にいえば、効用ではなく「効用への予期」だといえよう。なぜならば、商品の使用の結果、本来期待した効用がなくても、市場も貨幣も何もしてくれないからである。

PICSYは商品の使用の結果が良ければよい方にフィードバックするし、悪ければ悪くフィードバックしてくれる。

こうしてみると、交換価値の決定に影響を与える要因が、

労働価値→使用価値の予期→使用価値の結果へと変化していく様が伺える。

ところで、現状の決済貨幣においても、商品の結果が悪かった場合、販売した業者に負のフィードバックを与える方法がある。すなわち、売り手と買い手の関係が繰り返しのゲームになっていて、結果が良かったのか悪かったのか分かる場合である(実は分からない場合においてもフィードバックがはいることがある)。これは、繰り返しという性質によって予期と結果が一致していくということだ。

売り手と買い手の関係が繰り返しになっている場合売り手と買い手が1回のみのマッチングである場合
結果が良かったか悪かったかが買い手に分かる場合その商品を二度と買わないという形で、売り手に制裁が生じる制裁は生じない
結果が良かったか悪かったかが買い手に分からない場合制裁は生じない制裁は生じない

つまり、PICSYを使えば、いままで影響のなかった残りの3つの場合についても結果に基づいた効果を与えることができるのである。