AshbyのHomeostatとアフォリズム

先日、W. Ross Ashbyの"An Introduction to Cybernetics"という本のP84からP86で紹介されているHomeostatという機械について以前ゼミで読んだことがあって、Dr. ezcaとその話になりました。

普通のHomeoshtasis(ホメオスタシス)の説明は、安定状態からのずれがあるとネガティブフィードバックでそれを安定化させるという制御としてよく聞きます。AshbyのHomeostatはそういう話ではなく、マクロなルールと部分の状態が相互にカップリングして、部分の状態がぐちゃぐちゃやるとそれにあったマクロなルールを探索して安定するというようにezcaくんから聞きました。

そのイメージを元にして、ここ1週間くらいかけてウルフラムの一次元セルオートマトンでHomeostat的なものを作ってみました。

Ashbyのを読み返すと、どうもDr. ezcaと話したときとイメージが若干違うのですが、システムが式でかかれていないので、あいまいです。

Dr Horace TownsendがHomeostatをjava appletとして公開しています。

たしかに、ネガティブフィードバックを制御として使うという感じではありません。4つのペンのうちのひとつをつまんで移動させると他の3つが大きく動き始めます。そして、ペンを放すと4つのペンが大きく変動します。

trajectory(軌跡)も面白く、下に向かって安定していく途中かなといった感じで1分くらい続いて、突然大きく変動したりすることもあります。

ちなみに、このサイトにAshbyのaphorismがのっていて、大変面白い。

2.The Cyberneticist observes what might have happened but did not.

なんかは、ラングトンのlife as it could beにも近い。

22.To think is to act--inside the brain.

24.The brain organizes nothing--it acts.

25.The brain has no gimmick, just five billion years of research and development.

106.Functionally, the behaviour is the brain.

は、いまのわれわれの研究の核心に触れている。

66.Whether a computer can be "really" intelligent is not a question for the philosophers: they know nothing about either computers or intelligence.

は、皮肉がきいているし、

100.The liver is the brain of the inner world. Brain to the inner world is the liver.

はダマシオを思い起こさせる。